角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
失くしたくないものとは
*
「瑠衣、元気ないよ。大丈夫?」
この前、先輩と廊下ですれ違ってから、どうしようもなく……先輩のことが忘れられない。
本当は会いたくて、たまらない。
声を聞きたくてたまらない。
「ううん、なにもないよっ」
会いたい、とこの感情を抑える方法が知りたい。
「だけど瑠衣、なんか顔色が良くないよ。あんまり眠れてないの?」
そういえば私、最近寝つきが悪いかも。
今まではすぐに寝られたのに……ベッドに潜っても、考えることはいつも先輩のことばかり。
「……うん、ちょっとだけね。でも平気だよ!」
こんなに暗い顔ばかりしてたらいけないよねっ。早くいつも通りにしなきゃ、つばきちゃんが心配しちゃう。
「瑠衣、そーやって我慢してばかり。私、そんなに頼りない?」
「そんなことないよ……!」
「だったら私に話してくれてもいいじゃん。私は……瑠衣の力になりたいのに」