角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

「先輩が幸せなら、それでいい」


私はもう……なにも望まない。

その代わりに、もう少しだけ想い続けることを許してほしい。


もう少しだけ好きでいさせてほしい。


「やめてよ、瑠衣……だって瑠衣の顔、全然納得してないじゃん」


やめて……真実を暴かないで。

私はもうそう思うって決めたのに……。


「私は、やだよ。瑠衣ばっかり我慢するの。納得できない!」


もうやめて……。私がこれでいいって言ってるんだから、もうなにも言わないで。


これ以上、言われたら……私、泣いちゃう。

絶対絶対……泣いてしまう。


先輩のことを思い出すと、涙腺は簡単に崩壊してしまう。

じわっと涙が滲みはじめた。


「瑠衣ちゃん」


私に声をかけたのは、日向くん。

この前の告白をされてから、楠木ではなく名前呼びに変換される。


「ごめん、琴平さん。瑠衣ちゃん借りてもいい?」


いきなり日向くんが現れるから、さすがにつばきちゃんも困惑したようで。
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