角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
「……へ?」
ポカンと固まっている。
「ほらっ、瑠衣ちゃん行こ!」
つばきちゃんの返事も聞かぬまま、私の手を掴んで引っ張ると、どこかへ連れて行かれる。
やって来たのは、食堂の隣にあるフリースペース。
すごく広くて、仕切りもあるから隠れることもできる。
「勝手に連れ出してごめん。瑠衣ちゃん、無理してるみたいだったから」
日向くんは、私が無理をしていることに気がついて気を利かせてくれたみたい。
「……あり、がとう」
「ううん、いーえ」
日向くん、すごく優しい。
「そうだ。ちょっと待ってて」
立ち上がり、どこかへ向かおうとする。
「……あっ、」
やだ。今、こんなところでひとりになるのは……。
「大丈夫だよ。すぐ戻るから心配しないで」
私の頭をポンポンと優しく撫でたあと、どこかへと向かった。
もしかして私が不安になってたことに気づいてくれたのかな……。
すごく優しいなぁ。
私は、ひとり窓の外を眺める。
ここから中庭見えなくて、よかった。