角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
「待って!」
それを引き止めたのは、私。
どうして私、日向くんのこと引き止めちゃったんだろう……。
分からない。
だけど、これだけは言える。
「……ひとりに、しないでほしい」
私、ひとりになるのが怖かった。
こんなのわがままだって分かってるのに。
「うん、分かった。行かないから」
と、また椅子に腰を落とした日向くん。
「瑠衣ちゃんが俺といて気まずくないなら、一緒いる。……てか俺の方が瑠衣ちゃんと一緒にいたいっていうか」
鼻先をかいて、照れくさそうにそっぽを向く。
日向くんの横顔と耳がピンク色に染まって見えた。
今までは見えなかったことが、告白をされたことによって見えてくる。
「……日向くん…は、私のどこを好きになってくれたの?」
だから、少しだけ聞いてみたくなった。
「えっ? ええっ、どこって……」
だけど、これは聞くべきじゃなかったかな。
日向くん、すごく困ってるみたい。
「私、恋したことなかったから…みんなどうやってそれが恋だと気づくのかなぁと思って……」