角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
だからといって、聞いていいことと悪いことがあるよね。
「なんて、ごめんね……えへへ」
慌ててミルクティーを流し込んだ。
「あるよ、好きなところ」
へっ……?
紙コップから顔を上げて、日向くんを見る。
「瑠衣ちゃんの好きなところたくさんある。一つ目は、笑顔が可愛いところ。初めて笑った顔をみて一目惚れした」
恥ずかしそうに、私を見据えたまま、ひとつ指を折り曲げて、
「二つ目は、優しいところ。おっとりした性格っぽくて、雰囲気がすごく落ち着く。瑠衣ちゃんと話してるとなんか安心するんだ」
今度は窓の外を眺めながら、つぶやいて、ふたつめの指を折り曲げる。
「三つ目は、可愛いところ」
みっつめの指を折り曲げたあと、
「あっ、外見だけで好きになったとかじゃないよ?! ただ、瑠衣ちゃんが可愛いから、俺も見合うようにかっこよくなりてー…って前向きになれるっていうか……」
時折、頭を掻きながら落ち着きがなくなる日向くん。