角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

そんなふうに私のことを見ていてくれたなんて、私……知らなかった。


「まだまだたくさんあるけど……瑠衣ちゃんの良さは、瑠衣ちゃんしかないんだ」


私だけにしかない良さ……


「……ほんとに、あるのかな」

「こういうのって自分では気づきにくいものだよね」


私の良さって、一体なんだろう。

ひとつも浮かんでこないや。


「だけど、人ってさ恋をすると変わるんだ。その人のために可愛くなりたいとかかっこよくなりたいって、成長する」


そういえば、いつかつばきちゃんが成長するって言ってたような……。

あのときは全然分からなかったけど。


「好きな人のために見合うために人としても成長できる。それってすごくかっこいいことだと思う」


平野先輩を好きな子たちは、みんな努力しているんだ。

だって、あんなに可愛いんだもん。


「……うん」


みんな可愛くて綺麗で……。
先輩に見合う自分になるんだって努力した結果が今そこにあって。


それなのに私はなにも努力できていなかった。

変わろうとしなかった。

だから……バチがあたっちゃったのかな。
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