角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
「俺は、瑠衣ちゃんのことを好きになって変わることができた」
「えっ……?」
「それってすごい自分にとってもプラスなことだからさ、たとえ結果がダメだったとしてもそれが無くなることはないし」
努力が無駄にはならない……かぁ。
日向くん、すごくいいこと言うなぁ。
「……あっ、べつに瑠衣ちゃんに圧力をかけてるわけじゃないよ! それだけは誤解しないでね!」
優しかったり、照れたり、慌てたり。日向くんの表情はコロコロと変わる。
まるでサイコロの目のように。
「……うん、ありがとう日向くん」
「な、なんで?」
なんでだろう。自分でも分からない。
だけど、素直に言いたくなったの。
「えへへっ……私も、分からないっ」
よく分からないけど、嬉しかった。
無くしたくないもの、見失いたくないもの。
それはたったひとつ、私の心の奥底にあった。
それに今、気づけた気がしたんだ──。