角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

想いが通じたその先に





先輩への気持ちを大切にしたいと気づいてからなにもできないまま数日が過ぎた。


早く先輩に謝って、それから自分の気持ちを伝えたいのに……

でも、どうやって?

先輩に嘘ついてまで突き放したのに、今さら……。


「どうすれば……」


うーん、とひとり頭を悩ませながら、とぼとぼと歩いた。


「こんにちは」


すると、突然私の目の前に現れたすごく可愛いお人形さんみたいな女の子。


綺麗に整えられたショートボブ。片方だけを耳にかけている。

にこりと笑う顔は、女の私でも思わず、どきっとしてしまう。


「こ…こんにちは……?」


だけど、なぜこんなに可愛い女の子が私に声をかけてくるんだろう。

声をかけてくるってことは私のこと知ってるんだろうけど……。私は知らない。それとも私が忘れてるだけ?


「いきなり声かけてごめんね。驚かせちゃったよね」


私が困惑してることに気づいたのかな。こんな可愛い子に謝らせてしまうなんて。


「い、いえ……大丈夫です」

「優しいね。ありがとう」
< 191 / 280 >

この作品をシェア

pagetop