角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

ファーストキスは、苦い思いでいっぱいだった。


「好きだよ、瑠衣」


そう言って、まぶたにキスを落とす。


私の鼓動は、ドクンッと跳ねた。


そして、唇を親指で優しく撫でる。


「瑠衣、目閉じて」


あっ……先輩近づいてくる。

ううっ、緊張する……でも、でも……


「──っ先輩ちょっと待ってください!」


唇が重なる、寸前で止める。


「……なんで止めんの」


先輩はあからさまにムスッとする。


うっ、怒ってる。でも、ここでめげたらダメっ……!


「……あの、すごく大事なこと思い出しちゃったので……」

「キスを止めるほど大事なわけ?」


あわわっ、先輩さらにムスッとしてる……!


でも、でも……


「……は、はい」


私、まだ日向くんに告白の返事ができていない。それなのに私ひとりが幸せになっていいはずなんてない。

日向くんも、私の返事待ってるはずだもん。
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