角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
「じゃあ理由教えてよ。俺を納得させる理由」
「ええっ…と、それはその……怒りませんか?」
ゴクリと息を飲む。
「なに。怒ることなの?」
ひええ……すでに怖い気もするっ。
「場合によっては……」
怒られる……いや確実に怒ってる。だって先輩の顔、今まで見たことないくらいムスッとしてるもん。
「言ってみてよ」
ううっ、怖いなぁ……。でも私、頑張れ。負けるな。
「実は……日向くんに告白をされまして……」
あまりの怖さに私は思わず目を下げる。
「は?」
「それでその…まだ返事ができてなくて……だから、その……」
「それでOKするってこと?」
「え?」
先輩、勘違いしてる……。そういうことじゃないのに。
「ふーん。瑠衣は俺のことも好きで日向くんのことも好きなんだ、ふーん」
「ち…ちがいます! 私はただっ……日向くんにお断りを入れようと思っていて……」
先輩との誤解は解けて想いが通じたけど。
今まで私のことを支えてくれていたのは、ほかでもない日向くんだった。