角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
*第四章*
セカンドキス
*
翌日、私は日向くんに返事をすることを決意した。
「日向くん、ちょっとだけ時間ありますか?」
お昼休みに声をかけると、
「うん、大丈夫だよ」
穏やかな表情を浮かべて頷いた。
それから2人で移動して来た場所は、校舎裏だった。
あまり人目につかない場所で落ち着いて返事をしたかったから。
「ご、ごめんね。貴重なお昼休みの時間をもらっちゃって……」
「ううん、大丈夫。気にしないで」
最後まで日向くんは、優しい。
こんな人を今から振ってしまわなきゃいけないなんて……人生は難しい。
でも、私が想っている相手は先輩だけだから。
「あのね、実は日向くんの返事をしようと思って……」
緊張する。そのせいで口は急速に乾いていく。おかしいな。さっきリップ塗って乾燥予防しておいたのに……。
「その……日向くんに告白されたときは…すごく驚いたの。どうしてって、びっくりしちゃって……」
私が泣いていたあの日、告白をされたから。