角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
「こうなることは分かってたから、そんな瑠衣ちゃんが傷ついたみたいな顔しないで」
「えっ……?」
こうなることは分かってたって、どういうこと……。
「この前、廊下で平野先輩とすれ違ったとき、先輩のこと見てたでしょ。だから瑠衣ちゃんの答えはなんとなく分かってた」
うそ、そんな……。
「じゃあ、なんで……」
「そりゃあ好きな子に気持ちを伝えたいって思うのは当然。結果がどうであれ、せめて気持ちを伝えて自分の思いに区切りをつけたかった」
と、言ったあと「まぁ自分勝手な話なんだけどさ」と頭を掻いた日向くん。
自分の思いに区切り……。
「もちろんあわよくばって思ったこともあったよ。特に、瑠衣ちゃんが泣いてたときなんて、俺が支えてあげたいって。俺なら幸せにしてあげられるって思ってた」
日向くん……。
「でも……やっぱ瑠衣ちゃんの心の真ん中には先輩がいるんだよね」
全部気づかれている気がして、恥ずかしくなる。