角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

「こうなることは分かってたから、そんな瑠衣ちゃんが傷ついたみたいな顔しないで」

「えっ……?」


こうなることは分かってたって、どういうこと……。


「この前、廊下で平野先輩とすれ違ったとき、先輩のこと見てたでしょ。だから瑠衣ちゃんの答えはなんとなく分かってた」


うそ、そんな……。


「じゃあ、なんで……」

「そりゃあ好きな子に気持ちを伝えたいって思うのは当然。結果がどうであれ、せめて気持ちを伝えて自分の思いに区切りをつけたかった」


と、言ったあと「まぁ自分勝手な話なんだけどさ」と頭を掻いた日向くん。


自分の思いに区切り……。


「もちろんあわよくばって思ったこともあったよ。特に、瑠衣ちゃんが泣いてたときなんて、俺が支えてあげたいって。俺なら幸せにしてあげられるって思ってた」


日向くん……。


「でも……やっぱ瑠衣ちゃんの心の真ん中には先輩がいるんだよね」


全部気づかれている気がして、恥ずかしくなる。
< 215 / 280 >

この作品をシェア

pagetop