角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
「あーあ。やっぱ先輩には敵わねーよ!」
嘆いているように見えるけど、表情は穏やかで。
「俺もあんなかっこよくなりてぇ……」
たしかに先輩はかっこいいと思う。
でも、今回ので分かった気がする。
日向くんもすごくかっこいい人なんだって。
「ありがとう、瑠衣ちゃん」
ふいに日向くんがそんなことを言う。
「俺、正直もっとヘコむのかと思ってたけど、全然そんなことない。瑠衣ちゃんのおかげだ」
「ううんっ、そんなこと……っ」
私のおかげなんかじゃない。日向くんの心が広いから、日向くんが優しいから。
ちゃんと向き合ってあげなきゃって思ったんだもん。
でも、これで話せなくなるってのは少し残念だな……。
「俺、これで瑠衣ちゃんと話せなくなるのは嫌だなぁ」
「わっ、私も……っ!」
だってせっかくお友達になれる気がしたのに。
「じゃあさ、これからは友達として声かけてもいい?」