角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

「これからそうやっていちいち可愛いこと言われるんだと思うと、俺やばいな。我慢できんのかな」


腰に手を添えて、もう片方の手で優しく頭を撫でてくれる。


「……先輩、我慢してるんですか?」

「そりゃあな。もう二度と瑠衣に嫌われたくねーし」

「私、先輩のこと嫌いになったことなんてありませんよ」


どうして先輩はそんなこと言うんだろう……。


「俺が無理やりキスしたことあったじゃん。絶対俺嫌われたなって思ったし」


あっ……。そういえばそんなことがあったんだ。たしかにあのときは、すごく傷ついたけど。


「先輩のことを嫌うなんて、そんなのあるはずありませんよ」


私は、先輩のことが大好きだもん。


「ほんとに?」

「ほんとですっ」


先輩、私のこと考えてくれてるんだ。

ううっ、優しすぎる……。

私も先輩みたいに優しくなりたいっ。先輩と同じくらい想いを返してあげたい。
< 220 / 280 >

この作品をシェア

pagetop