角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
恥ずかしくて、俯こうとするも、
「瑠衣こっち向いて」
両手で頬を持ち上げられる。
目が合って、体温が上昇する。
「まじでいいんだな?」
何度も何度も確認してくる先輩。
そんなに何度も聞かなくてもいいのに……。でも先輩は、きっと私のために確認してくれてるんだよね。
コクンッと頷いた。
「で、でもっ、私……キスしたこと、ないからやり方が分からないです」
「べつにはじめから難しいキス強要したりしないから大丈夫」
と、チュッとまぶたにキスを落とされる。
それだけでどきどきしてしまう。
「瑠衣からのキスを期待してたけど、やっぱ最初は俺からするから」
そういえばこの前キスされそうになったときに止めたら、私からキスしてって先輩に言われたんだった……!
「とりあえず息は鼻でしてな」
へっ、鼻で息……?
説明それだけしかないのかな。
未知すぎる世界に私は不安しかなかった。
「瑠衣」
愛おしそうに私の名前を呼ぶ先輩。
名前を呼ばれるだけで、胸がキュウっと締め付けられる。