角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
「大丈夫。俺に任せて」
すごく不安……だったのに、先輩の言葉を聞いて安心してしまう。不思議。先輩の声はまるで安定剤みたい。
「目、閉じて」
そして、先輩がゆっくりと近づいてくるから、その言葉に自然と目を閉じる。
視界は真っ暗になって、なにも見えなくなる。
だけど、怖くない。
先輩が声をかけてくれるから。
「好きだよ、瑠衣」
甘い声が聞こえたあと、唇に柔らかいものが重なった。
優しく、丁寧に形を確かめるように。
壊れ物を扱うように。
触れたのは、ほんの一瞬で。
すぐに先輩は離れていく。
だけど……先輩が唇に触れた瞬間、私の心臓はドクンッと跳ねた。
「瑠衣」
至近距離で見つめられる。
それだけですごくどきどきする。
「やっと俺だけの瑠衣だ。もう絶対離してやんねーから、覚悟しといて」
先輩に、そんなことを言われて私は、どきどきが止まらなかった──。