角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

「お兄ちゃん独占欲強すぎ! そんなんじゃいつか瑠衣ちゃんに嫌われちゃうよ!」

「うるせ」


あわわっ、2人の言い合いがヒートアップしちゃいそう……。


「で。話はもう済んだのか」


面倒くさそうに、先輩が話を逸らす。


「一応終わったけど、これから瑠衣ちゃんに放課後一緒に遊びに行こうって誘おうと思ったのに」

「なに言ってんの。瑠衣の放課後は、全部俺のもんだから」


先輩……妹さんである菜々ちゃんにもすごく遠慮がない。

でも、それだけ仲が良いってことだよね。


「お兄ちゃんばかり瑠衣ちゃん独り占めしてずるい!」


えっ、独り占め……なんて、そんな。


「俺の彼女なんだから当然だろ。じゃあな」


菜々ちゃんと話している途中に、先輩が一方的に私を引っ張って行くから。


「もーっ、お兄ちゃんのバカ!」


結局最後まで話すことができなかった。
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