角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

「せ、んぱ……」

「つーかそれ以上可愛くなってどうすんの。他のやつに狙われたらどうするんだよ」


可愛いって先輩に言われると、すごく嬉しくなると同時に照れくさくもなる。


「瑠衣のこと可愛いって思うのは、俺だけでいいの」

「せんぱい……」


どうしよう。私、先輩のこと好きすぎる……。

好きに上限なんて、ないんだ。


「つーか、菜々が名前呼びで俺がまだ先輩とか納得いかないんだけど」


突然、ムスッとした声色に変わる。


「俺、瑠衣の彼氏だよ」

「え? …は、い」


どうしてそんなことを言われるのか困惑していると、先輩が抱きしめていた手を緩めて、私の目の前へと移動する。


「じゃあそろそろ先輩卒業して俺のこと名前で呼んでよ」


えっ……! 先輩のことを名前で呼ぶ?!

でもっ、今までずっと先輩って呼んでたから急には……


「なぁ、瑠衣」


耳元で甘い声が囁いた。


私の鼓動は、ドキンッと跳ねる。
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