角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
あっ、そうなんだ……。
それに先輩、来年3年生なんだ。
私とひとつ違うだけで、すごく大人っぽい。
せっかく楽しみにしていたのに、残念だなぁ。
でも、先輩頑張ってるみたいだから会いたいですなんて言えないよね……。
「が、頑張ってください……!」
今、先輩に顔見えてなくてよかった。
だって今顔見られたら、私きっと心の底から笑えてないもん。
「ありがとう」
先輩は、いつも私のことを考えてくれているから、私だって先輩のことを陰ながら支えなくちゃ。
「でも、それだけ?」
後ろで少しムスッとした声が落ちる。
「えっと、先輩……?」
どうしたんだろう……と困惑していると、お腹にまわっていた腕にぎゅっと力が加わって、引き寄せられる。
「瑠衣、会いたいって言ってくんないの?」
首筋にかかるかすかな吐息。
それで、先輩との近さを物語る。
「えっと、でも……」
先輩すごく忙しいみたいだから、私が邪魔しちゃいけない。だから私の思いは隠さなきゃいけない。