角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
「でも……やっぱり少しでもいいから、先輩に……会いたい、です」
俯いて、弱い声でつぶやく。
先輩に聞こえたのか少し不安になった。
「あっ、でも時間ないなら全然無理しなくても大丈夫です、ので、」
「なーに言ってんの」
今度は正面から抱きしめられる。
私を優しく包み込む先輩は、とても温かくて。
「瑠衣との時間なんていくらでも作るに決まってんじゃん」
「……ほんとですか?」
うそ、いいのかな。先輩の貴重な夏休みもらっちゃってもいいのかな……。
「うん、当然。つーかはじめから俺は瑠衣と過ごすつもりだったよ」
へっ……私と過ごすつもり、だった?
そんな、ほんとに……。
「前半はお互い忙しいだろうから、瑠衣がこっち帰って来たとき、一緒過ごそう」
どうしよう……。
すごく嬉しくて、頬が緩んでしまいそう。
「はいっ……!」
もうすぐやって来る夏休みは、一体どんなことが待っているんだろう。