角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

「また……好きになっちゃいました」


日に日に増していく先輩への気持ち。

どこまで増えてしまうんだろう。


「瑠衣、可愛いこと言い過ぎ。そんなん言われたら我慢できなくなるだろ」


先輩の瞳は、すごく綺麗で、少し熱っぽくて。


「せんぱ……」


どきどきが止まらない。


「なぁ、瑠衣。キスしてもいい?」


恥ずかしいけど……でも私も。


「……は、はい」


先輩にキスしてほしいって思った。


優しく頬を包み込まれるから、私は自然と目を閉じる。

そうして、落ちてくる温かい温もり。

唇を優しく、重ねて。


久しぶりに会えた先輩との幸せな時間。


「じゃあ……行く、か」

「……は、はい」


いつお母さんが帰って来るか分からない玄関で、私は先輩とキスをしてしまった。
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