角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

それから屋台で、いくつか気になるものを買ってベンチで食べる。
そうしていると時間はあっという間に過ぎて、そろそろ花火があがる時間。


「そうだ。瑠衣、少しだけ移動していい?」


2人でやって来たのは、近くの小さな神社だった。


「ここ、すげー見晴らしがいいんだよ。でもみんな近くで見たいからってここ、意外と穴場になってるらしくて」


へえ、そうなんだ。こんな穴場があるなんて、すごい……。


「でも、どうして先輩知ってるんですか?」

「それは内緒」


頭を撫でられて、はぐらかされる。


もしかして先輩……私のために調べてくれたんですか?


「つーか、ほんと瑠衣可愛すぎ」


グイッと肩を引き寄せられる。


「こんな可愛い姿誰にも見せたくなかった」

「せ、せんぱ……」


そんな、可愛いだなんて……。


「さっきだって瑠衣のこと見てる男すげーいたし……あー、思い出したらムカついてきたわ」


先輩、すごくムスッとしてる。

でも、私だって……
< 248 / 280 >

この作品をシェア

pagetop