角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
はじめてのお泊まり
「まだ、帰したくねーなぁ」
花火大会が終わって、先輩と一緒に帰る途中。
といっても、花火を見ていたのははじめだけであとはキス……に夢中になっていた。
ううっ……私ってばもう……。
──ポタッ
ん? 今、空からなにかが……
「あ、やば。雨降ってきた」
へ、うそ。こんなときに……。
「瑠衣、そこの建物の下行こ」
「は、はいっ……」
私が転ばないように先輩は、手を繋いで人混みを抜ける。
それは次第に強まって、人の声をかき消してしまうほどに。
「さっき雨、降らなくてよかったな」
「ほんと、ですね。ちゃんと花火大会あってよかったです」
先輩に会うことができて、よかったもん。
「とか言って俺たちあんま花火見てなかったけどな」
ひゃ……っ、先輩それは……。
「い、言わないで、ください……」
さっきの私は、きっと夏の暑さでどうかしていたんだよ。そうじゃなきゃ、あんな、自分から腕を回すなんて……。