角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

「なんか、今日、お母さんもお姉ちゃんも外出してて帰って来ないみたいです」


お父さんは、夜勤って言ってたし……。


「じゃあ家に帰っても一人ってことか」

「は、はい……」


はじめて一人で過ごすことになる。でも、高校生になったんだしそれくらいどうってことないよね……。


「じゃあ俺の家行こ」


へっ……? 先輩のお家?


「瑠衣このまま帰すの心配だし、瑠衣も一人不安そうだし」


それって、先輩のお家にお泊まりってこと?!


「で、でもっ……」


それは、さすがにまずいんじゃないのかな……。


「つーか、俺が帰したくない」


指を絡めて、きゅっと握りしめられる。


「瑠衣と一緒にいたい」


う、先輩……。そんなこと言われたら断れない。


「……私も先輩といたい、です」


ほんとはすごく一人は怖いから……。

でも、そんなこと先輩に知られたくない。


「ん。じゃ、行こ」


大通りに着くと、そこで先輩はタクシーを拾って行き先を告げる。

そうしてあっというまに先輩の家についた。
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