角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

マンションの中にはエントランスまであって、すごくおしゃれだった。

先輩、住むところまで別次元みたい……。


「入って」

「……おじゃま、します」


はじめて先輩のお家に入った。

一歩足を踏み入れただけで、すごくどきどきした。


「あのっ、先輩のお父さんは……」

「ああ、今日親父いないから気兼ねしなくていいよ」


へっ……?!

お父さんがいない? それってもしかして今日はずっと……二人きり?


「もしかして瑠衣、今やらしーこと考えただろ?」


ぎゅっと抱きしめられて、顔が熱くなる。


「2人きりだから意識しちゃうって?」

「せ、せんぱ……」


すごく、近い。どきどきする……。


「瑠衣の身体すげー熱くなってる」

「そ、それは、先輩が……」


いつも以上に甘い気がするから、なのに。


「俺がなに?」


言えずに口ごもっていると、


「瑠衣にそんなに意識されたら、俺も期待しちゃうじゃん」


チュと耳たぶにキスを落とされる。
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