角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

さっきまでつばきちゃん、すごく乗り気だったのに……


「だって私、お菓子とか作れないもん! すっごい不器用なの。瑠衣も知ってるでしょ! だから無理!」


コロコロと変わるつばきちゃんの表情は、まるで百面相しているみたいで少しおもしろい。


「でも瑠衣は、お菓子作り得意でしょ。瑠衣のお菓子は、日本一……いや、世界一おいしいんだから!」

「それはいくらなんでも大袈裟なんじゃ……」

「んもー! 私にとってそれくらいおいしいってこと! 私が保証するから!」


すごく贔屓がすぎる気がするなぁ……。


「だから先輩の提案は断っちゃダメ!」

「えーっ、なんでそうなるの?」

「だーかーらー、先輩がそんなこと言ってくれるなんて滅多に……いや、まずないんだからね!」


すごい。つばきちゃんの圧力が……。
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