角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
「だ、だからといっても私、先輩のファンとかじゃないから……」
「あ、それ今平野先輩のファン全員を敵に回したよ」
ええっ……。うそ、大変……っ。そんなつもりはなかったのに。
「訂正する! 訂正するから……!」
慌てて言葉を言い換えると、「ぷっ」と笑い声が漏れる。
あれ、つばきちゃん……?
「あははは……! もう、瑠衣ってば慌てすぎ!」
笑ってる……。
もしかして私、騙されちゃった?
「つばきちゃんがいきなりそんなこと言うから、焦っちゃうに決まってるよぅ……」
「いや、だって……ふふっ……」
お腹を抱えて笑い続けるつばきちゃん。
もうっ……!
ぷくっと頬を膨らませて怒ってみせると、「ごめんごめん」と軽く謝られる。
……つばきちゃん心こもってない。
「だけどさぁ、どうして瑠衣はそんなに嫌がるの? せっかく平野先輩とお近づきになれるのに」
「……変な言いがかりはやめてよ。私、嫌がってるわけではないんだよ」