角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

私が、可愛い……? そんなことないのに……。それに抜け駆けとかもありえないから心配しなくてもよかったのに。


「えっ、あ、いえ……」


でも、これから2人で会うってことはみんなが言う“抜け駆け”に当てはまるのかな……。


「瑠衣、大変だったわね〜……」


嵐が過ぎてから、つばきちゃんか私のそばへとやって来る。その表情は、苦笑い。


「今の見てたの? なら助けてくれてもいいのに……」

「ごめんごめん!」


遠くで見物してたんだ。

つばきちゃんてばひどいなぁ……


「それで、先輩には返事できたの?」


うっ……。どうしよう、あれだけ渋っていたのにすんなりと承諾してしまって。


「それが、その、いいって言っちゃって……」

「あら、そうだったの? 瑠衣のことだからてっきり断るのかと思ってたけど」

「私もね、さっきまではそう思ってたの。ちゃんと言おうとしたの。でも……」

「でも、言えなかったの?」


私は、つばきちゃんの言葉に小さく頷いた。
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