角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
「……先輩が、私のお菓子を食べておいしいって言ってくれて、それがなんだかすごく嬉しくて……」
胸がきゅーっとなって、心がぽかぽかと温かくなる。
「瑠衣にとっておいしいって言葉は最上級の褒め言葉だもんね」
「う、うん……」
照れくさくなって小さく身を縮めていると、「あーあ」と声を上げるつばきちゃん。
「平野先輩に負けちゃったなぁ……私だって瑠衣のお菓子食べておいしいって言ってたのに」
ちらっと私を見たあと、ぷいっと顔を逸らすつばきちゃん。
やだやだっ、つばきちゃん誤解してる……!
「それはもちろん嬉しいよ……! 嬉しかったに決まってるじゃん!」
「ふふっ、知ってる。瑠衣がいつもお菓子褒められて照れてる顔だって覚えてるから」
なんだ。つばきちゃん、またいつもの得意な演技してたんだ。
「……もうっ、つばきちゃんってば」
「瑠衣ってば、かーわーいいっ!」
「そ、そんなことで騙されたりしないんだからね……!」
いつも私がからかわれてばかりだからと、休み時間が終わるまで、ずっとぷいっとそっぽを向いていたのだった。