角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
そこにいたのは、クラスメイトの日向碧(ひゅうがあおい)くんがいた。
ふわふわした茶色い髪の毛にアイドルのように甘いマスクをして、クラスの人気者。先輩ほどではないけどモテるみたい。
……というのは全部つばきちゃん情報。
「これ、瑠衣が作ったお菓子だよ」
うそっ、つばきちゃん言っちゃた……。
「ちょっと、つばきちゃん……!」
あまり目立ちたくないからクラスメイトには、内緒にしていたのに。
「うわっ、そーなの?! お菓子自分で作ったの?」
日向くんは、すごく目を輝かせていた。
「う、うん……」
「うわー、すごいね!」
身を乗り出すようにお菓子を見つめる。
どうしよう……。あまり大きな声で言われると、他の人にも聞こえちゃいそう。
「楠木さんの手作りのお菓子いいなぁ! 食べてみたい!」
えっ、どうしよう……。
これは先輩にあげるものなのに。
「これはダメー!」