角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

優先順位は、恋よりお菓子?





先輩に作るお菓子は、作ったことがあるレパートリーの中から選んでいるけど、最近は新しいお菓子にも挑戦しつつある。


「ふんふふーん♪」


ある日の夜、明日の準備を終えた私は、鼻歌を歌いながらお菓子作りに没頭していた。


「なんだかいい匂いするわね。あら、瑠衣またお菓子作ってるの?」


キッチンに立ち込める甘い匂いに誘われて、お母さんがやって来る。


「あ、お母さん。うん、ちょっとまた作りたくなっちゃって!」


次はなにを食べてもらおうって考えると作るのが楽しくなっちゃったんだよねっ。


「最近よくお菓子作ってるわね。お母さん、毎日のように食べてる気がするわ〜」

「いつも味見してもらってるもんね……ごめんね」

「それはいいのよ。でもねえ、瑠衣が作るお菓子おいしいからついつい食べちゃうのよね。だから最近太っちゃったわ。いやね〜」


味見役は、お母さんかお姉ちゃんにいつもお願いしている。お父さんは甘いの苦手だから……。
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