角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

好きな……?!


「ちっ、違うよ! これは友達にあげる分だから!」

「え〜、ほんとかしら。とかいって実はボーイフレンドがいたりして」


お母さんがいっているのは、友達という意味じゃなさそう……。ということは、つまり……

恋人ってこと……!?


「っ、いないからねっ!」

「え〜、怪しいわね」


お菓子を作るペースが増えただけで気づかれるだなんて、お母さんの勘は恐るべし……。


「ほんとにいないってば! お母さん勘ぐりすぎだよ!」

「えー、だって瑠衣から恋の話聞いたことないもの。娘とそういう話するのお母さんの夢なのよ」


そうだったんだ、お母さん……。

だからといっても、私。


「恋とか、いまいち分からないから……」

「そうね。瑠衣はずっとお菓子に夢中だったものね。瑠衣とそういう話できるのはまだ先かしら」


クスッと呆れたように笑うお母さん。


「うっ……ごめんね」
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