角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。




「今日は何を作ってきたの?」

「……マドレーヌを少々」

「なに少々って。どうせお菓子作るのに夢中になってたーくさん作ってきたんじゃないの?」

「……うっ。つばきちゃん、鋭い」


お菓子作りに没頭してしまうと、ついたくさん作ってしまう。


「瑠衣のことならなんでもお見通しですー」


結局、昨日はたくさん作ってしまったの。


「お母さんにもお姉ちゃんにもあげたんだけどね、まだたくさん残ってて……」

「だから学校に持ってきたってわけね」


もちろん他にも理由は、あるんだけど。


「う、うん……」


つばきちゃんに言えなくて、それが嘘をついているみたいで罪悪感があった私は、あさっての方を見てしまう。


「瑠衣。その返事、少し怪しくない?」


ぎくっ……。
つばきちゃんも鋭いんだよなぁ。


「そ、そうかなぁ……」

「おまけに今、視線逸らしたよね。何か隠してることでもあるの?」
< 67 / 280 >

この作品をシェア

pagetop