角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

「それだけ先輩においしいって言われたのが嬉しかったんだね」

「……うん」


お菓子は、人を笑顔にすることを知っていた。

でも、作る側もすごく嬉しくて、また作ろうって思うようになる。

それは、先輩が食べてくれるようになってから計り知れないくらい嬉しさがアップしている。


「なんかさぁ、今の瑠衣って恋してるみたいだね」


不意をついたように告げられた言葉に「へっ……？」開いた口が塞がらなくなる。


恋してるみたい……？


「……私が？」

「うん」

「誰に？」

「誰ってそんなの……平野先輩に決まってるじゃん」


ニヤニヤ笑うつばきちゃんは、何かを勘違いしているようで。


「ちちちっ、違うから……！」

「なにが違うって言うの？」

「え、だからそれは、私が平野先輩に恋……してるんじゃないかって話が間違ってるっていうか……」


そもそも私は、恋なんかしたことないもん……。