角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
「でも今、すごーく恋する乙女みたいな表情してたよ」
……っ!!
恋する乙女……?!
「してない、もん……っ!」
私は、まだ初恋すらない。
恋がどういうものなのか全然分からない。
「ふふっ、ごめーん! あまりにも瑠衣が可愛かったからちょっとからかいたくなっちゃって」
「もうっ、つばきちゃん……!」
ぷんすかして抗議すると、「ごめーん」と両手を合わせたつばきちゃん。
「だけど、瑠衣もそろそろ恋してみたいんじゃない?」
「……へっ、なんで?」
「だってまだ恋したことないんでしょ」
「うっ、そうだけど……恋とかまだ私には早すぎるんじゃないかなって思ってて……」
中学生のとき友達に好きな人ができて、その友達は毎日楽しそうで。
『恋をしたらどんなふうに見えるの?』
って私が、尋ねたことがあった。
そうしたら、友達は、
『世界がキラキラして見えるの。毎日が楽しくて、好きな人を見るだけで幸せになる』
って言われたことがある。