角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
「……だってお菓子作るの楽しいんだもん」
「あ、やっぱり今日もお菓子作ってきたんだ。朝からずーっと甘い匂いしてたよ」
「えっ、うそ。匂いする……?」
制服をクンクンと匂いを嗅いでみるけど、自分ではあまり分からない。
「逆に瑠依は匂いしないの?」
「うーん……家にいるときはお菓子作ってることが多いから慣れちゃったのかも」
チョコレートとかケーキとか甘い匂いに囲まれているからなぁ。
「今日は何作ったの?」
「しっとりチョコクッキーだよ! あっ、よかったらつばきちゃんも食べる?」
「えっ、いいの?」
「うん! あとであげるね!」
「わ〜やった! 瑠衣のお菓子美味しいからちょー好き!」
自分が作ったお菓子をおいしいって食べてもらえるのが一番嬉しいんだよね!
もっと作りたいって思っちゃう。
購買へ向かう途中、中庭を見つけて、ふと思い出す。
そういえばこの前中庭で寝てた人、あのあと起きたのかな。