角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
*第二章*
既読のつかないメッセージ
*
【お菓子作ったんですけど、今日食べますか?】
2限目の休み時間、先輩にメッセージを送ってみるが既読が付かない。
「先輩、どうだって?」
「それが…まだ連絡が来なくて……」
「えー、先輩いつもならすぐ連絡返ってくるのにどうしたんだろうね」
「う、うん……」
お菓子のことになると、どんなことでも差し置いてでも返事が来そうなのに。
いや、それは言い過ぎだよね……。
体調が悪いとか?
それとも何か他の用事があるとか……
「もしかしたら先輩、すでに待ってたりするかもよ。行ってみたら?」
待ってるなら、返信がありそうだけど……でも。
「うん、そうしてみようかな」
作ったお菓子を胸に抱えて、席から立ち上がる。
「じゃあ、行ってくるね」
「いってらっしゃーい」
先輩が待っているであろう非常階段に急いだ。
「……あれ、先輩いない」
いつもなら先に来て待っているはずの先輩が、今日はどこにもいなかった。
おかしいなぁ……。私よりいつも早く来てるのに。
連絡をしたアプリを開いてみるが、既読になっていなかった。