角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

「それ必要なくなったんでしょ。だったら俺にちょうだい。楠木さんの手作りのお菓子食べてみたいんだけど」


日向くんに、これを?

たしかに必要なくなっちゃったからあげても問題はないの、かな……。


「……いい、よ……」

「えっ、ほんとに? 俺、もらっていいの?」

「う、うん……」


先輩にあげるはずだった、お菓子を手渡す。


「わー、嬉しい! ありがとう!」


日向くん、すごく嬉しそう。

なんだか、私までホッとする……。


「……私の方こそ、ありがとう」

「え、なんで楠木さんが?」


さっきまでこれは必要ないって思って落ち込んでいたのに、日向くんの笑顔見てたらあげてよかったって思えた。


「あ、いやっ、だってすごく喜んでくれるから……」


日向くんって、なんだかおひさまみたい。


「そんなの当然じゃん。だって気にな──…ん"んっ、なんでもない!」


……えっ? なんでもないって……。
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