角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

「……日向くんにあげちゃった」


ほんとは、つばきちゃんにあげようと思ってたんだけど。


「えっ、日向くんに?」

「うん。さっきそこで会って、必要なくなったって言ったら、ちょうだいって……」

「だからって日向くんにあげてよかったの? 先輩あとでとりにくるかもよ」


私が送ったメッセージもまだ気づいてもらえてなかったから、きっと取りに来ないと思う。


「……うん、でもいいの。もうあげちゃったから」


それに……先輩は、女の子に囲まれてた。お菓子をあげる人は、きっとほかにもたくさんいる。


「あれ、先輩のために作ったんでしょ」


先輩がおいしいって言ってくれたから、張り切りすぎたお菓子。
< 90 / 280 >

この作品をシェア

pagetop