角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
「……日向くんにあげちゃった」
ほんとは、つばきちゃんにあげようと思ってたんだけど。
「えっ、日向くんに?」
「うん。さっきそこで会って、必要なくなったって言ったら、ちょうだいって……」
「だからって日向くんにあげてよかったの? 先輩あとでとりにくるかもよ」
私が送ったメッセージもまだ気づいてもらえてなかったから、きっと取りに来ないと思う。
「……うん、でもいいの。もうあげちゃったから」
それに……先輩は、女の子に囲まれてた。お菓子をあげる人は、きっとほかにもたくさんいる。
「あれ、先輩のために作ったんでしょ」
先輩がおいしいって言ってくれたから、張り切りすぎたお菓子。