角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

「へっ、なんで……」


どうして、先輩がここに……。


「瑠衣、ちょっといいか?」


先輩の登場に、「きゃっ!」クラスメイトは大はしゃぎ。


うそ、なんで先輩が……。


「瑠衣、行かないの?」

「うっ…だって今は……」


先輩が呼んでいるのに私はその場を動けない。

まるで足の裏に鉛がついているみたい。


「瑠衣」


すぐそばで聞こえた声に、恐る恐る顔を上げると、私の隣にいつのまにか来ていた先輩。


「昼飯中に悪い。でも、ちょっとだけ時間ちょうだい」

「あ…いや、でも……」


私、今先輩の顔見られない。


「瑠衣?」

「ごっ、ごめんなさい、今は…無理です」


顔を下げて、スカートの裾をぎゅっと握りしめる。


勇気がないわけじゃない。

ただ、私は弱虫なだけ。


「じゃあ、俺も無理」


いつもより低い声が落ちてきたあと、グイッと腕を引かれる。


「きゃ〜!!」


突然、甲高い声が響き渡り。
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