角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

「そ、そんなに謝らないでください。私、すぐ帰りましたので……」


ほんとは、先輩のこと迎えに行こうと思って教室まで行った。

行って、先輩のことを見つけた。

でも、先輩はたくさんの女の子に囲まれていて。


「うん、ごめん」


嘘をついたことが少し罪悪感。

心がもやもやしてる……。


「それでお菓子今日も作ってくれたんだったよな。遅くなったけど、お菓子もらっていい?」


うそっ、どうしよう……。先輩はもう来ないと思っていたから日向くんにあげちゃったんだよね。


「あ、あの……すみません。今日のお菓子は、もうなくて……」


先輩、怒ってるかな。悲しんでるかな。顔を真っ直ぐ見れない……。


「ないって誰かにあげたの?」

「は、はい。実は、さっきクラスメイトにあげて、しまって……」

「それって女? 男?」


えっ……? 先輩どうしてそんなこと気にするんだろう……と恐る恐る顔を上げる。


「…‥男の子です」
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