角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

先輩食べてないのにおいしいって決めつけてる。

でも、やっぱり食べてほしかったなぁ……。


「まぁ、食べるのはもう無理だけどさ、腹を満たすならギリいけるよな」


うんうんと頷きながら私の方を向いた先輩。


お腹を満たすって……私、お菓子持ってないけど……。


「つーわけで、ちょっと悪い」


いきなり伸びてきた腕に、いとも簡単に捕まってしまう私。

気がつけば私は、先輩の腕の中。


「!?」


えっ、これは一体どういう状況……っ


「あ、やっぱ匂いする」


先輩は、私の首元に顔を埋めて匂いを嗅ぐ。


「えっ、あのっ、せんぱ……っ」


うっ、やだやだ……っ!


「ちょ、動くな。少しじっとしてろ」

「で、でもっ……」


恥ずかしくて身を捩る。


「瑠衣、頼む。少しだけ」


低く甘い声が耳に流れ込み、どきっと胸が鳴る。


うっ……。どうして私、こんなになっちゃったの……!
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