初恋酩酊〜恋を知らない彼に溺れる〜



 そして同時に、今現在彼氏とうまくいっていない自分を否定されているような気持ちになった。


 私は彼氏が大切だった、大切にしていた。変わらず一緒に居たかった。彼氏も、そんな私が面倒臭かったんだろうか。


 だけど、例えそうだとしても、私は彼氏と一緒に過ごした日々を無駄だとは絶対に思わない。


 楽しげに目を細め、私の返答を待つ新田さんに向かいグッと手を握りしめ口を開く。



「新田さんは、空っぽなんですね」
「はは、空っぽ? なにそれ」
「めんどくさいと思うのなら、告白に頷いてイタズラに女性を傷付けるのはやめた方がいいですよ」
「だって相手が付き合いたいって言うんだから、付き合ってやる俺優しいじゃん」
「…………優しい」



 優しいの意味を辞書で引いて出直してこいよ。喉から出そうになった言葉をなんとか引っ込める。



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