初恋酩酊〜恋を知らない彼に溺れる〜
2




「香苗、アンタ何したの?」
「え、何したってなに……?」
「先輩から聞いたんだけど、新田さんが香苗のこと聞いて回ってるんだって」
「はぁ?」
「この前飲んだでしょ! イケメンでセフレが絶えない新田さん!」
「あーーーー、あの人ね」



 あの胸糞悪い飲み会から数日後、キャンパス内で私を見つけた友人は、血相を変えて駆け寄ってきた。


 新田さんが私なことを聞いて回ってるって……。
 もしかしてあの時不快感のあまり生意気なことを言ってしまったから、その報復の為に情報を集めてるとか?


 顔は一級品だけど、中身は本当にどうしようもないなと思いあからさまに嫌な顔をすると、友人は心配そうに私の顔を覗き込む。



< 16 / 106 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop