初恋酩酊〜恋を知らない彼に溺れる〜
新田さんは私に言われた言葉で痛いところを突かれたと思ったのか、ぐっと押し黙っている。
この隙にと、私は椅子から立ち上がり歩き出そうとした。
しかし、そんな考えを読まれたように手首を掴まれゆく手を阻まれる。
いい加減腹が立ち過ぎて、睨みつけるように新田さんを見下ろすと、何故か新田さんは拗ねたように顔を顰め、口をパクパク開けたり閉じたりしている。目尻と耳は何故か赤い。
私の手首を掴む新田さんの大きな手は恐ろしいほど熱く、熱でもあるんじゃないかと疑うほどだ。