初恋酩酊〜恋を知らない彼に溺れる〜



 この女……セフレとは付き合いが長い。
 顔もスタイルも可愛らしくて好みだし、何より他の女とは違い、彼女面したうるさいことを言ってこない。


 この前気まぐれにセフレの一人を彼女にして以降懲りたし、何より自分はこういう関係を持つ程度で満たされていた。
 恋なんてアホがするもの。俺は絶対にそんな一時の感情に振り回されることはない。


 そう思っていたのに。


 シーツで身体を隠し、不安気にこちらを見上げるセフレに、ボクサーパンツを履きながら視線を送る。
 


「もう、今日で会うのやめるわ」
「な、なんで? 深冬っ……私、何かした?」
「してない。俺の問題だから」
「深冬っ」
「ごめんね?」



 これ以上深追いされぬよう、甘さの中に鋭さを含んだ笑みを向けると、途端にセフレは黙る。



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