初恋酩酊〜恋を知らない彼に溺れる〜
いつからこんな風になってしまったんだろう。あの優しい彼はどこに行ったの?
鼻の奥がツンとして涙がこぼれそうになったけど、泣いてしまったら負けな気がして堪える。
深いため息が溢れた。
本当にこのまま別れてしまうのか、ああもう、本当にうまくいかない。
それから数週間が経っても、彼は私が居ない間にたまに荷物を取りに来てはいるが会うことは出来ず、連絡も少ない。
学内でも明らかに避けられている。
けれど、別れを切り出されない分、気持ちが追いつかずどうしていいのかも分からない。
梅雨の終わり、私は幸せな思い出に引き摺られるように、現在とのギャップに日々消耗していくだけだった。
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