初恋酩酊〜恋を知らない彼に溺れる〜
あの子、香苗ちゃんに彼氏の浮気を告げた。
そして泣かせてしまった。
あまりにも可愛い泣き顔で固まる。
今までキレイな女は沢山抱いてきたが、ここまで胸が鳴ったことはない。
彼氏の浮気を教えてやったら感謝されると思ったのに。
そうではないのか。
そっか、傷付くのか。
本気だったから傷付いているのか。
ここで、恋を馬鹿にしていた自分の方が馬鹿だったのではないかと思い直す。
だって、好きな男の為に涙を流すこの子があまりにも可愛いから。
恋はよく分からないが、この子に恋をするのは良いことかもしれない。
この子に恋をされたい。自然とそう思った。
掴んだ手首が細くて折れてしまいそうで、溢れる庇護欲になんとか蓋をしながら、俺は初めて感じる胸の高ぶりに身を任せた。
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