初恋酩酊〜恋を知らない彼に溺れる〜
そこからは日を開けずに連絡が来るようになった。
気遣ってくれる先輩を無碍にできない気持ちもあり、そのうち飽きるだろうとメッセージを返していると、意外にもそれは続く。
私を心配するようなものから、大学のこと、日常会話まで。
『今バイト終わった』
『お疲れ様です』
『腹減った。晩飯食った?』
『昨日作ったカレーの残りを』
『いいなー。カレーの腹になったわ』
こんな会話の時もあれば。
『オイ』
『はい』
『なんで今日無視したんだよ』
『遠くから名前叫ばれると目立つのでやめてほしいです』
『だからって無視すんなよ。せめて手とか振れよ』
『なぁ』
『オイ』
『無視すんな』
こんな会話の時も。
遠い廊下から呼ばれて注目されるし、女子の目もあって気まずくて無視してしまったから。