初恋酩酊〜恋を知らない彼に溺れる〜



 ……しかし、見れば見るほど良い顔だ。肌も美容液何使ってるんですかってくらいきめ細かいし、顔小さいし鼻高いし唇が薄いのが逆に色っぽいし。


 思考が逸れている私に、新田さんは顔をグッと近づける。
 私が仰反ると、またもや不満げにされる。距離感バグってるなこの人は……!



「彼氏居るんだから、ダメだろ」
「は? ……え、新田さんがそれ言っちゃうんですか? それ言ったら新田さんと出掛けるのもダメでしょ」
「俺はお前の相談相手で、優先すべき良き友人枠だろ」
「自分で言っちゃうんだ……」
「俺はイイけど、他はダメ」



 新田さんはそう言い切ると、ぱきりと割り箸を割った。
 目の前に座っている二人も、言葉を挟もうにも新田さんワールドの情報を処理しきれずこちらを見つめる事しかできない。


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